これからの正義の話をしよう
あなたは電車の運転手です。あなたは焦っています。
なんとブレーキがききません、線路の先には5人の作業
員がいます。しかし、線路を切り替えて脇道に逸れる
ことができます。脇道の方には1人の作業員がいます。
ーーーあなたはこんな時、線路を切り替えますか?
こんばんは。
どうやら世の中のほとんどの方は切り替えるそうです。
主な理由は、「1人の犠牲で5人の命が助かるから」。
皆さんの中にもそれが正しいと思う方もいるでしょう。
じゃあ、あなたは歩道橋の上から電車が5人の作業員に
走って行くのを見下ろしています。1人のとてつもなく
太った人が欄干に腰掛けていて、この人が電車と線路の
間に挟まれば、電車は確実に止まります。
突き落としますか?
じゃあ、あなたは医者だとします。1人の外来患者を診
たところ健康そのものでした。ところが、あなたは別々
の臓器移植があれば助かる患者を5人抱えています。
外来患者に一旦麻酔かけますか?
「1人の犠牲で5人が助かる」という考え方が正しいと
まだ言えるでしょうか。運転手の場合も、歩道橋から見
下ろす場合も、医者の場合も、確実に1人の犠牲で5人
を助けようとしていることは同じです。でも何かが違う
気がしますよね。それが一体なんなのか、自分が本当に
正しいと言えることの本質を考えさせられるのがこちら
「これからの正義の話をしよう」
今日は、本を読んでは「もう読まないな」と思った瞬間
即BOOKOFFへ強制連行する無慈悲な私が本棚に残す、
オススメ書籍たちをご紹介します。
ちなみに、前回紹介の本は即効実用的でわかり易いもの
でしたが今回はある意味真逆の本です。 前回記事↓
とは言えまたまた有名な本で申し訳ないんですけれども
この本はかなり前から本棚にいて10周くらいしている
ので、写真の通り年季の入ったまさに「オススメ」。
私が何周もしてる理由は個人的に大きく3つあります。
①常に考えさせられる
この本の分野である哲学自体がそうなんですけど、まず
答えが無い。正解無いですから、自分にとっての答えを
探していくことになります。誰も教えてくれないのです
から、自分で考え続けるしかないのです。
例えば、最初の運転手の例で「線路を切り替えない」と
いう、私のような少数派の方もいると思います。
じゃあ、5人は家族を支える将来有望な青年で、脇道
にいる1人は身寄りのない不法入国者だったら?
5人の方は家族が悲しみ恨まれるが、1人の方は気に
する人もいない。しかもそれを事前に知っていたら?
「線路を切り替える or 切り替えない」とはっきり言え
るようになるまででも、よくよく考えると自分にとって
の「正しい」の基準が心許ないことに気付かされます。
しかも厄介なことに、考えることっていつでもどこでも
できちゃうんですよ。そして、そうなってくると考える
対象って世の中にそれこそ星の数よりも多い。
②ちょっとむずかしい
全然わからない・知らないことを学ぶ時とかだと、逆に
フムフム〜!と頭に入って来るんですけど、この本では
「普段なんとなく受け入れていること」を考えさせられ
ます。冒頭の"1人の犠牲で5人助ける"こと、とかね。
多くの人がなんとなく正しいとしてきたものにそもそも
の疑問を呈しやがりますから、前提としての常識を外す
のがまず難しい。+ 内容そのものもまあまあ難しい。
元々はハーバード大学の哲学の講義を書籍化したもので
YouTubeとかで講義風景が観れるんですけど、まぁ世界
屈指に賢い学生さんもあーでもないこーでもない言うて
頭抱えてました。でも、それを考えたことがあるか無い
かということ自体とても大事だし面白いと思うんです。
③結局はおもしろい
フライングで面白いって言っちゃいましたけど(笑)、
最終的には結局おもしろいから読んじゃうんですよね。
読み終わった後、普通に生活していても気になることが
本当に山ほど出てきます。自分なりに考える癖は付くん
ですけど、こんがらがったりするとまた本を開くんです
よね。私なんて初期設定からおそらくそこそこ頭イカレ
てる方ですから、本読み返さないとまとまらないような
疑問が出てくると、"その常識自体ずっと身近で接して
来たはずなのに"ってこともあって日々おもしろい。
よく、このブログも日常についてわけのわからないこと
を精神疾患モノの理屈で考察しだすことなどあるかもし
れませんが、この本の影響もかなりあると思います。笑
前述の通り、元は大学の講義なんですけど、講義初日の
一番最初にその教授が言うんです。
哲学は、他の講義と違って何も正解を与えてくれない。
そればかりか今まで正しいとしてきた全てを疑い、自分
を見失うかもしれない。「知る」ということにはリスク
がある。知ってしまう・気付いてしまうと、知る前の
自分にはもう戻れない。それでも進む、覚悟はあるか。
みたいな。うろ覚えなんですけど、まぁそんなことを
言って始まるんです。本当にその通りだなと思います。
でもなんかイイでしょ、壮大な旅が始まる感あって。
興味の湧いた方は是非1度手に取ってみてはいかがで
しょう。常識を疑って本当の"正しい"を探しませんか?
hmttumo-ikkuhanbaishi.hatenablog.com
是非ポチッとよろしくお願いします!
▼1クリック応援してくれると嬉しいです!▼