Excelくらい自分で調べてから口を開け
人はなぜまず自分で調べないのか。
よく職場のおじさんでExcelの操作をずっと聞いてくる方がいるんですけど、いや、世の中腐るほどExcelの本が出てるじゃないですか。
なんなら、Googleっていうほぼ全知全能チートがいて、わからない操作だろうが関数だろうが、とりあえずそいつに聞けば大体すぐ教えてくれる。
本についてもGoogleについても、何回言ったとしてもこういったおじさんはずっと所謂若手と呼ばれる私たちに操作方法を聞いてくる。
まぁコミュニケーションとしては一役かっているのかもしれませんけども。
しかし、私はそんなことを聞かれる度に思い出すことがある。
それは数年前、まだ私が管理職でもない頃、私の下にいた新入社員の子とのやりとり。
私は、上の人からどう思われてるかは知りませんが、比較的後輩たちからは幸いにも人生を通じて慕われることが多く、当時この新入社員の子ともとても仲良くやっていたんです。
ただ、こいつもまたなんでもかんでも聞いてくる人間で、いやそりゃ過去背景とか社内暗黙知みたいなところについては私だって当然教えるのにやぶさかでない。
でも、先のExcelおじさんみたいな「それ調べたらすぐわかるやん」という質問はテキトーにあしらうこともしばしばだったんです。
ある日、残業でPC爆発すんじゃないかなってくらいタイピングしてる私にそいつが聞いてきたんです。
「これって何て読むんですか?」と、私のメールを画面に映して署名を区切っている✳︎を指差している。
よくそんなことをこの多忙オーラ全開のタイミングで聞いてこれたなと逆に感服するんですけど、なにやら発表原稿を作ってて、その貼付資料が✳︎で区切られているらしく一応読み方を教えてほしいみたいな話でした。
いやコピペしてGoogleに聞け。と思うんですが、とはいえそこはやはりコミュニケーションの場。
しっかり先輩としての威厳を放とうじゃないかと思い、私は顔を上げて教えてあげたわけです。
「ア◯ルマークだよ。」
誰が聞いても絶対に病院に行った方がいいに決まってる。我ながら見えなくもないが違うに決まってる。✳︎
ところが困ったことに、彼はアナ◯という単語自体を存じ上げない系ピュアセレクトだったらしく、「ありがとうございます」などととんでもないことを言いやがる。
度肝を抜かれた。礼が返ってくるとは。
忙しい時にしょーもないこと聞いてきやがってくらいにしか思わずそのままほっといたんですけど、彼のピュアセレクトはもうとどまるところを知りませんから、
「すみません!
◯ナルマーク僕のPCで変換できません!」
などと"絶対その音量じゃないだろ!"というパリピの後入ったカラオケBOXの音源くらい爆音で報告して来る。
できねーよ!
バカじゃねーのか!
という思いが感情の90%くらいを瞬間風速的には占めましたが、冷静に考えなくても完全に私が悪い。
遅い時間だったので幸いあまり人もおらず私があたふた経緯を説明して大きめの笑いで終わったんですが、今ならコンプラ違反で一撃更迭されてもおかしくない。
特に婦女子の方々などいようものなら彼も大胆セクハラルーキーとして華々しいデビューを飾りかねない。
ちょっとふざけたら2つの会社員人生が幕引きの寸前にいた。
そんなこんなで自分で調べることの大事さを私は説きたい。
「自分で調べる事は大事だぞ」とよく言われますが、こんなに説得力をもって諭せる人間がいるだろうか。
世の中にはしょーもないことをあしらおうとイカレたことを宣う輩が存在するぞ。1回調べて、それでもわからなかったら聞くべきだ。問いの質は回答の質に影響する。しょーもない同じことを何度も聞いてたらそのうちあしらいたくなる気持ちが人には芽生えるぞ。
議論・確認が必要な質問こそ互いのためだと私は思う。
何度も同じ事を聞いてくるExcelおじさんにもそのうち国辱もののミスリードで精神的孤島に導いて、社会の厳しさを教えてやりたい。
こちらの時間を何度も奪うそのやりとりに一体何の有用性があると言うのか。
ちなみに、新入社員だった彼とは勤務地が離れた今も仲が良く、彼にとっては会社入りたてくらいの出来事でド偉い思い出らしいですが、現在では彼の後輩も交えて飲む時など鉄板ネタの笑い話になっています。
コミュニケーションとしては思ったより有用なのか…?
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